酒造りには「和醸良酒」という言葉があり「和の心(調和や協力を大切にする心)は良い酒を醸し、良い酒は和の心を醸す」という意味を表します。お酒を発酵させて造る「お酢」においても、私たちは酒造りと同じ思いを込めています。人々や土地とのご縁を大切にし、育まれた「お酢」で、お世話になっている方々や地域にご恩返しができればと思っております。
キヌヒカリから生まれた純米酢、純米千鳥酢。
キヌヒカリと純米千鳥酢
村山造酢のお酢は、京料理の特徴の一つである“素材の味をいかす”ことを念頭に、食材の後味や余韻を邪魔しないスッキリとした酸味を目指しています。純米千鳥酢を開発するにあたり、原料米としていくつかの品種が候補に挙がりました。その候補の内の一つに、あっさりとした味わいの中に柔らかな甘みを持つキヌヒカリがありました。繊細な風味が織りなす京料理に合う純米酢の原料として、このキヌヒカリを使用することにしました。キヌヒカリの味わいを生かしつつ、当社の醸造技術にさらなる工夫を重ねてできたのが、この純米千鳥酢です。
千鳥酢と南丹市
和醸良酢。京都の地で育ったお米を使い、京都で良いお酢をつくる。その思いから、お米の産地に近い場所で酸造工場を設けたいと考え、京都府内で候補地を探していた際に南丹市と出会い、南丹市園部を案内いただいたことでこの地とのご縁が生まれました。南丹市は京都有数の米の産地として知られ、お米以外にも丹波栗や丹波黒大豆、丹波大納言など多様な農産物の宝庫であり、自然豊かな環境に恵まれています。このような南丹市の魅力に触れ、弊社は南丹市で食を通したつながりを深めております。
道の駅での販売
お米や丹波地方の名産である丹波栗や黒豆が購入できる場所として知られ、秋の新米シーズンには多くの方が訪れる南丹市園部の道の駅「京都新光悦村」。原料米栽培のご縁により園部町農業公社さまからご紹介いただき、弊社のお酢や加工酢を取り扱っていただくことになりました。純米千鳥酢の販売にあたってはいち早く取り扱いを開始していただくなど、南丹市とのつながりをより深めるきっかけとなりました。
南丹市ふるさと納税
弊社の純米千鳥酢は南丹市のお米だけで製造しているため、ふるさと納税の返礼品に採用していただきました。うれしいことに、ふるさと納税に多数の申し込みがあり、南丹市の方々にも喜んでいただいています。弊社もふるさと納税サイトのようなプラットフォームに掲載していただくことで、多くの方に知っていただく機会を得られました。南丹市のお米を知っていただくことで弊社を知っていただき、弊社のお酢を知っていただくことで南丹市のお米を知っていただくという相乗効果を実感するとともに南丹市に感謝しています。
循環型社会の取り組み
南丹市で栽培されたお米で弊社はお酢を醸造しています。その醸造過程で発生する、本来廃棄物となる有機性残渣(ゆうきせいざんさ)を南丹市八木のバイオエコロジーセンターに弊社は持ち込んでおります。センターでは近隣の畜産場から出た牛糞と共に弊社の残渣を発酵させてメタンガスを生成し、このメタンガスを発電に利用しています。さらに、発酵後の残渣は液肥として近隣の田畑に撒かれ、再利用されることで弊社は循環型社会への取り組みに関わっています。